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2023.01.23更新

ひな人形を華やかにする【飾り花】

一年に一度行われる、女の子の成長を祝う催しの雛祭り。

そんな春の代名詞と、雛飾りの「花」にはとても深い関係があります。

飾られる花木は何種類もありますが、特に一般的なのが「橘」です。

ただ雛飾りを華やかにするための装飾と思われていることもありますが、実はしっかりとした意味と歴史があります。

雛飾りについて詳しく知っておくことで、日本古来から続く伝統的な行事である雛祭りについて、さらに深く理解することができますよ。

【 桜 】

日本の春を代表する花といえば「桜」

水彩絵の具を水に溶かしたように透明感のある色合いが美しいこの花も、縁起物として雛飾りに飾られることが多いです。

【 橘 】

橘は柑橘類の樹木で白い花と小さな黄色の実をつけます。

一年を通じて葉が緑であること、黄色の実が長い間残ることから縁起がいいとされている花木です。

家紋や古典のモチーフとしても登場し、花は文化勲章のデザインとしても使われています。

【 桃の花 】

「桃」は中国原産の花木で、3月下旬から4月上旬にかけて花をつけます。

雛祭りの別名を桃の節句というのは旧暦では桃の花の咲く時期に雛祭りが行われていたことに由来します。

ミカン科ミカン属の常緑小高木で柑橘類の一種。別名はヤマトタチバナ。桃の花もまた雛飾りとして一般的です。

【 菜の花 】

春の太陽を映したように咲く「菜の花」もまた、雛飾りに使われることのある植物です。

日本の農村部には、菜の花の黄色う花を頭に見立て、葉っぱを衣装として見立てた「菜の花のお雛様」を作る文化が伝承されている地域もあります。

【 紅白の梅花 】

縁起が良く、綺麗で見栄えもよい、古来より愛でられていた梅の花もよく使われます。

もともと、雛祭りのある3月3日は「上巳(じょうし)の日」とも呼ばれ、縁起が悪いとされている“季節の変わり目”の日です。

そこで雛祭りは「邪気を祓うための儀式」としての意味が含まれた中で、女の子の健やかな成長を願う行事として定着しました。

そのため、雛祭りに使われる花木には主に「縁起が良い・魔除けの効果」を信じられている、という共通点があります。

たとえば「橘」は魔除けや邪気祓いの効果がある縁起物と考えられていました。

神の依り代となる神聖なものとして扱われ、「不老長寿」を願う役割もあります。

「桃」も中国神話で魔除けの効果や、長寿をもたらす花木として神聖視され、日本にもそれが伝わりました。

多くの神話で妖怪を退治する武器や、化け物を追い払うための道具として描かれています。

有名な童話「桃太郎」も同じで、桃を使って鬼を退治する中国神話に由来しています。

桃もまた、非常に神聖なものとして捉えられていたことがわかります。

「桜」は、古来から縁起が良い花として神聖視されてきました。

春のイベント「お花見」も、元々は、桜の木を目印に降りてくる山の神と共に過ごすための宗教的な儀式だったとも言われています。

今でも桜の入ったお茶やお酒、桜飯などは、縁起のいい食べ物とされており、結婚式など祝の場でふるまわれることも多いですよね。

「菜の花」が飾られるようになったのは、縁起ものというよりも春の季節を感じられるという理由からだとされています。

他にも、昔は菜の花から取れる油を使って灯りをともしていたことから、「天に召された幼い子を偲ぶ」という意味も持ち合わせています。

「紅梅白梅」は見栄えが良いだけでなく、紅白幕や紅白餅に象徴されるように、たいへん縁起のいいものとされています。

紅は「魔除け」・白には「潔白・高貴」などが象徴されていると考えられています。

このように、いろいろな意味を含む花木は飾る場所・位置もある程度決まっています。

雛飾りとして橘を飾る時は桜と組み合わせるのが一般的です。由来として、ひな壇は

京都御所内にある「紫宸殿(ししんでん)」を模して作られました。その紫宸殿の両側には、縁起物として桜と橘が植えられています。

そのため、雛飾りでも桜と橘を飾ることが主流です。

これらは、「左近の桜・右近の橘」とも呼ばれ、雛人形の側から見て、左側に桜の花木、右側に橘の花木を飾ります。

「左近の桜・右近の橘」という呼ばれかたは、御所の警備を行う近衛府「左近衛」と「右近衛」がこれらの花木の近くに配置されていたことが始まりです。

紅梅白梅も桜橘と同じように、正面から向かって右に紅梅、左に白梅を置きましょう。

縁起の良くない季節の変わり目に、縁起のいい花木を飾って、悪いことが起こらないようにと願いました。

その思いが雛飾りの形に込められて、受け継がれているのです。

ご家庭でもお子様とそんな日本の伝統文化についてお話されてみてはいかがでしょうか??

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